2012年5月5日土曜日

5月5日 原発ゼロ・市民パレード北海道 子どもたちからのアピール


原発ゼロ市民パレード アピール

福島事故の収束まで原発は終わらない
子どもたちの笑顔が戻るその日まで

2012年5月5日  札幌

渡邊刀麻
(13歳 福島市から札幌へ避難)

今日、55日で泊原発3号機が停止し、国内で稼働している原発は1つもなくなります。
これは素直に嬉しい事だし、1つの課題をクリアしたと言ってもいいでしょう。
でも、手放しで喜ぶことができる人は多くないと思います。
課題をクリアしたと言っても、1年以上かけてようやく1つしかクリアしていないし、再稼働させる気満々な原発もあるし、他にもまだまだやる課題は山程あるからです。
僕は、原発全停止のあとは再稼働を阻止することを課題にしようと思っています。

福島原発の事故が想定外だったのなら、今は津波で原発がやられる事ぐらい想定内なはずです。日本は地震大国だし、最近も地震が多い。そんな中再稼働なんてとてもさせられません。そもそももう想定内である津波に対しても特に何の対策もしていないように見えます。
電力が足りないから原発を再稼働させたいなら、テレビの再放送とか、そこまで必要とされていない電力を省いていったら電力は足りると思うし、何故そこまでして原発を動かしたいのか分かりません。
原発から遠い所で電力を貰っている人にとって原発は、効率よく発電できる「おいしいもの」でしかないですが、原発近隣で原発の電力を貰っている人は電気と自分の命を同じ天秤にかけているのです。このシステムが人の考え方や絆を引き裂いていると僕は考えています。

福島市の僕が住んでいた地域がいい例です。
事故当時、僕の家族はだんだん広がって行く避難区域に驚き、「危険かもしれないからとりあえず車でどこかへ避難しよう」と言って、避難しようとした際、他にも沢山の避難しようとしているであろう車を見ました。多分この時点では福島県内、近くの県では危険かもしれないという考え方の人が多かったのではないかと思います。
でも原発から遠い地区、例えば東京では、国が「ただちに人体に影響はない」と言って、子供の被爆の上限を年間20ミリシーベルトに引き上げ、対応も曖昧なものしかしませんでした。
結局他人事な訳です。国ならなんとかしてくれるだろうと信じていた分、対応に唖然とし、絶望しました。多分、福島原発が東京にあったとしたら、こんな結果ではなかったと思います。しかも、このことにツッコミを入れる人はあまりいませんでした。
このことから、原発から遠い地域の人たちは国が安全と言ってるから安全だと思うような人や、無関心な人が多かったのではないかと思います。
もうこの時点で、安全だと思う、危険かもしれない、無関心、その他にもいろいろな考え方に分かれています。
2011年の漢字に「絆」というのがありますが、まさに絆がズタズタに引き裂かれた年だと心底思いました。

再稼働の阻止以外の課題では、本当の意味での福島原発事故の収束です。
僕は今のままでは事故が収束したとはとても言えないと思います。汚染水は絶えず太平洋に流し続け、福島県でもまだ線量の高いところが山程あります。
普通はこのまま住み続けて大丈夫な訳はないんです。
とりあえず子供だけでも避難させたい、住めるような環境にしたい、まだそんなことを思っています。

事故当時、福島では毎時24マイクロシーベルトぐらいまで線量が高くなりました。即立ち入り禁止になる筈の線量のだと思います。
そんな中、近くで配っている水を貰いに行ったり、外で遊んでいた子供も少なからずいたと思います。そんな子供達はもうとんでもない被爆量なんです。
なのにまだ子供達を被爆させ続けているんです。しかも今は普通に外で体育をやっているそうです。
命を守らず何が収束か。
だから、本当の意味で収束させたいと思っています。

まだまだ課題は沢山あり、僕が生きている間に終わるかどうか分かりませんが、近い将来、なるべく子供が笑顔でいれるように頑張りたいと思います。

まやかしだらけの世界の中で 
真実を語り、現状を変えるために闘う人たちの力を信じる

カイ ネーガード・イズミ (14 )
こんにちわ。僕は福島事故の被災者ではありません。僕は放射能汚染の被害にさらされ、日々痛みを感じている者ではあります。僕は普通の日本の子どもです。僕の名は櫂といいます。ノルウエーで生まれた、半分日本人の14歳のごく普通の生徒です。でも、自分のことを話すためにここに来たのではありません。これまで日本は素晴らしい国だと思ってきた、そして今も日本は素晴らしい国だと信じている皆さんに言いたいのです。
3月11日以来、僕は日本で起きていることを信じることができませんでした。そして、気がつきました。世界がどうなっているか、正直なところ嫌悪感を感じました。福島原発事故の危機的状況を知り、日本はアメリカからの支援が必要と感じて、昨年9月26日に、アメリカのオバマ大統領に手紙を書きました。オバマ大統領は、日本をこの危機から救う援助をしてくれると思ったからです。
「外国の見知らぬ子どもからこんな手紙を受け取って、驚いていることと思います。でも、伝えたいことがあります。
僕の母が最近アメリカに行って、原発に反対する活動に参加しました。僕は、書くことがへたくそですが、我慢して読んでください。もし、世界が主要なエネルギー源として原発を動かし続けて行けば、次にまた大きな地震がきたら、原発は放射能を放出します。そして、地球の半分が放射能で汚染され、水も、吸気も、全てが汚染されます。
人間の遺伝子は損傷を受け、ガンを発症し、子どもたちは障害を持って生まれてきます。福島からの友人がいて、福島から避難しなくては行けなかった人たちのことを思い出してください。アメリカでこのようなことが起きたら、どうするつもりですか? どうやって放射能の問題を解決するつもりですか?放射能は一度放出されたら消えません。ほとんど永遠にとどまり続けるのです。
放射能を飲み、放射能を食べ、放射能を吸い込むのです。もし、原発からの放射能が管理されることができなければ、放射能は僕たち全員を殺してしまうことは明らかです。こんな手紙をオバマ大統領に書くなんて、とてもおかしなことだというのはよくわかっています。こんなことを書いて、お時間をとらせてすみません。でも書かずにはいられなかったんです。
楽しめる間に人生を楽しんでください。大統領とご家族髪の祝福がありますように」
でも、今になって、オバマ大統領は、実は原発推進はであることがわかりました。オバマ大統領からは、未だに手紙が来ません。僕が大統領への手紙に書いたことは、全て起こってしまいました。世界は、死の危機を覆い隠した数多くのまやかしに溢れています。でも、僕はそれでも希望を持ち続けます。今でもやっぱり日本は素晴らしい国だと信じています。これからも変化は起こりうると信じています。そして、それが事実であることを信じます。僕の信頼は日本の政府に対してではありません。僕の信頼は皆さんと僕自身に対してのものです。何が正しいかを知り、本当のことを語り、現状を変えようと闘い続ける者たち、その僕たち自身の力を、僕は信じます。

今こそ、永遠に原発を止め続けなければ
自分たちを犠牲にしてまで原発にチャンスをあげることはできない

池澤加那 (15歳) 札幌

こんにちは、
一週間ほど前、友人の泉かいさんにこの5月5日に大通りで行われる反原発運動でのスピーチをしてくれないかと頼まれ、引き受けました。前から原発についてとても興味があり、母も反原発なので、彼女から普通のメディアや政府の発表した情報はもちろん、国外などまた全然違う視点からの情報から原発のことを知ることができました。逆に原発のことをなにも教えられないでいたら、多分私は今日この場所でこのスピーチはできませんでした。子供はいろんなものに影響されて、育っていきます。生んでくれた親もそうですし、住んでいる環境や受けている教育も子供の成長に大きく関わります。
環境とは子供たちが幸せになるためにとても重要です、でも3・11から、いやそれより前から、日本は原発によって少しずつ崩壊してきているように思えます。一時期には、国民が原発なしの暮らしはありえないと思っていました。あの事故があった後の今、国内に普通以上に汚染された場所がいくつも残されて、そこには、政府が必要な情報を受け渡さないため、引っ越すかどうか決められない人たちがいます。その人たちにはもちろん子供がいて、異常な量の放射線にさらされて毎日を過ごしています。その子たちに選択肢はありますか?いいえ。自分たちの住んでいる場所の区域を知っていますか?いいえ。大人になるまで被爆の症状はほとんどわかりません。その頃に国の責任を持っているのは同じ人ですか?いいえ。これから育っていく世代の一人として“大人”全員を批判したくはありません。というより、するべきではありません。今日ここに集まっている方のように原発に立ち向かって、必死に次世代のためにがんばっている人がいます。でも将来このままだと、原発の重荷を背負うのは私たちです。
その重荷は誰も望みません。私たちが使うエネルギーの選択肢がほしいです。原発は本当に必要なんでしょうか?いいえ。実際に、私たちは、特に都会でのエネルギーの消費量は過剰です。人の場合、肥満は偏った栄養をとりすぎたため逆に不健康になってしまっています。エネルギーも同じで、使いすぎてはだめなので、今私たちはもっと健康的なエネルギーの消費方法をみつけなければいけません。
今までは原発に頼りすぎていました。他のエネルギーの資源はありますか?はい。太陽光発電や水力、地熱発電。他にもいろいろあります。原発推進の人たちはこのような方法は不安定であり、いろいろなネガティブな環境への影響を及ぼすといいます。ですが、私たちはそのような問題を解決する技術と知能は持っています。それに、そのような部分を改善するのは原発を安全に取り扱うより断然簡単なのです。
            でもこのような改善ができるためには、日本中の国民の協力が必要です。3・11はこの国を変えるきっかけです。今日全日本の原発が止まり、今後また活動することはあってはなりません。有害で危険とわかった今、なぜ私たちは、自分たちを犠牲にしてまでまた原発にチャンスをあげなければいけないのでしょうか?




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